SPワイヤ 特徴と構造
SPワイヤは、高張力の中心部分と放電特性に優れた真鍮の外周部分から成るハイブリッドの電極線です。このため、実用範囲ではタングステン線と同等の張力に耐えるうえに、放電特性は真鍮線以上で、ワイヤ走行系のローラーやピンの磨耗にも優しく、両者の長所を兼ね備えた電極線です。SPワイヤは、超精密、微細加工の分野でタングステン線を凌ぐ威力を発揮することはもちろんですが、真鍮線の領域でも高張力による高精度化をはかる事が出来ます。また、狭コーナーRがとれることから、同一Rをワンランク太い線径でカットする事が出来、高速化が可能です。
更に、0.1mmφ以下の細線領域で、BS線とSPワイヤの併用をやめてSPワイヤに統一すれば、 作業条件の変更回数を少なくする事が出来るため、前述の諸条件と合わせて、作業時間の短縮が可能になり、大幅なコストダウンと納期の短縮が実現出来ます。
SPワイヤの加工特性
精密微細加工に威力を発揮するSPワイヤは、高張力の中心部分と、電気特性に優れた外周との2層構造になっており、高圧の加工電流は、ほとんど外周を通るため電気特性も良く、従来のタングステン線と真鍮線の両方の長所を兼ね備えた加工特性を持っています。加工特性は、加工条件により変わりますが当社比による一例は次の通りです。